006|幻想を消そうとする幻想

「幻想」は存在しません。

「幻想を見ている人」も幻想そのものなので、やはり存在しません。

 

では、幻想を消したいと願うのは誰でしょうか?


幻想を認識していない人が、幻想を消したいと思うことはありません。

幻想を消したいと思うのは、幻想を認識している人だけです。

 

そして、幻想を認識している人は、幻想そのものです。


混乱しやすいお話ですので、繰り返しになりますが、改めて、整理してみましょう。

石をどかすことができる人

「幻想を消したい」

というのは、

「私の願望の実現を邪魔するその石をどかしたい」

ということです。

 

当たり前のことですが、「石をどかしたい」と思うのは、「石を認識している人」だけです。

「石を認識していない人」が、「石をどかしたい」と思うことはありません。


  • 「石を認識している人」は、「石そのもの」なので、その人が石をどかすことはできません
  • 「石を認識していない人」は、「石をどかしたい」と思わないので、その人が石をどかすことはできません

 

つまり、石をどかすことのできる人はいないのです。


「いや、そんなことはない。私は石をどかそうと思ったら、ちゃんとどかすことができる」

と思うかもしれません。

 

ですが、

  • 「邪魔な石を見ている人」は「邪魔な石」そのものであり
  • 「邪魔な石をどかす人」もまた、「邪魔な石」そのものです

 

石をどかす人は、その石が「邪魔だから」どかすのであって、その一つの石をどかしたとしても、その人が「石は邪魔なものだ」という概念そのものである限り、いくらでも新たな石が現れるだけのことです。

 

「邪魔な石」そのものである人の世界から、「邪魔な石」がなくなることは決してありません。

なぜなら、その人自身が、「邪魔な石」そのものだからです。


つまり、完璧に流れる美しい小川の中から、邪魔な石をなくすことのできる人は、誰もいないのです。

「それならもう変えなくていい」

  • 「この状況を変えたい」と思っている人に、その状況を変えることはできません
  • 「この状況を変えたい」と思っていない人にも、その状況を変えることはできません

 

この世界では、

「誰かが、自分の意志で何かを変える」

ということは、一切できないのです。


では、「それならもう変えなくていい」と思ったら、どうなるでしょうか?

 

この先の道は、2つに分かれます。


その人がもし、本当に、

「それならもう変えなくていい」

と思ったなら、その時、その人は、

「変えたいと思うもののない世界そのもの」

なので、その人の見る世界に「変えたい何か」が存在することはなくなります。

 

それは、

「いつの間にか自然と、望んでいた通りの形が整う」

ということかもしれないし、望んでいた形とは違っても、ただ、

「本当に何も変わらなくていいと思えるような、満ち足りた状態になる」

ということかもしれません。

 

どちらにしても、その人の目の前には、

「変えたいもののない完璧な世界」

が広がることになります。


ですが、そうではなく、

「変えたいと思うのをやめれば完璧な状態になるなら、変えたいと思うのをやめよう」

ということなら、その人はただの、

「変えたいと思っている人」

です。

 

当然、その人の世界は何も変わりません。


その人が、「変えたい何か」を見ている限り、その人にできることは何もありません。

 

願望とは、

「何かを、今とは違う状態に変えたい」

ということです。

 

つまり、その人に、「叶えたい願望」がある限り、その人にできることは何もないのです。

>> 007|願望の先にあるもの


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