この世界は、あなたの意識の中に存在しています。
つまり、あなたの意識は、世界のすべてのステージであり、背景であり、世界そのものです。
実際には、意識とは無限であり、常に完璧性そのものであり、何ものにも影響されないものですから、「意識の状態」などという言葉はおかしなものです。
ですが、今はあえて、あなたにご理解いただけるよう、
「あなたの意識の状態と、世界の状態」
ということについて、一つの例え話として、お話ししたいと思います。
例え話ではありますが、それは事実にとても近いお話ですので、ぜひ真剣にお読みになってください。
あなたの意識の中に現れている世界は、あなたの状態と完全に一致します。
そこに何の障害も入り込まず、本来のありのままの自然な状態である時、世界は常に、あらゆる面で完璧なものとして現れます。
その完璧な状態の世界の景色が、このようなものだとしましょう。
これが本来の、純粋に現れているままの、完璧な世界の光景です。
では、もしこの世界が現れているあなたの意識の中が、
「制限のある、偏った状態」
であったならば、世界はどのようになってしまうでしょうか?
例えば、あなたが間違って、自分を「世界の中にいる〈私〉という個人」だと思い込んでしまい、その〈私〉に何かストレスがたまるようなことがあったら、
「その、ストレスでいっぱいのあなたの意識の中に現れている世界のすべて」
も、同じようにストレスでいっぱいの状態になってしまいます。
あなたが悩んだり、落ち込むようなことがあって、どんよりと沈み込んでいたら、あなたの意識の中にある世界もまた、どんよりと暗い場所になってしまいます。
あなたの世界は、あなたの中に存在しているのですから、それを見るあなた自身の状態が、ダイレクトに反映されてしまうのです。
それは例えば、このような感じです。
あなたが何かストレスを抱えて、意識というステージが赤くなってしまえば、世界全体も赤くなってしまうのです。
もっとストレスが大きくなっていったら、この赤い色がもっと濃くなってしまうかもしれません。
赤がもっともっと濃くなれば、世界はどんどん、本来の状態とは違った姿になっていってしまいます。
背景が見える程度の濃さにとどめましたが、もっともっと濃くしていけば、本来の世界の状態など、全く見えなくなってしまうでしょう。
では、意識というステージが黒かったら、どうでしょうか?
意識のステージが黒く曇っていれば、世界のすべてが、黒く曇り、沈み込んだ暗い場所になってしまいます。
もちろん、好き嫌いはありますが、赤でも黒でも、本来の完璧な世界を曇らせてしまうことに変わりはありません。
では、純粋無垢な白ならば、どうでしょうか?
白い世界は、何だかきれいにも見えるかもしれません。
何だか少しふんわりとして、優しい感じにも見えるかもしれません。
「白は純粋な色なのだから、世界はこのように真っ白であるべきだ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、白い世界を作れば、必ず対極である黒を否定しなければならなくなります。
この世界の中では、何か一つのものを作れば、必ず「それと対立するもの」が同時に生み出されてしまうのです。
世界を真っ白に染めようとすれば、
「真っ白いキャンバスに黒い鉛筆で描かれた、美しい絵」
を否定しなければならなくなってしまいます。
- きれいな色ならばいいとか
- 純粋な色ならばいいとか
そういうお話ではないのです。
では最後に、意識のステージがこのような色であったら、どうでしょうか?
これは、最初の写真と同じものではありません。
最初の純粋な風景に、透明なフィルターを重ねたものです。
「透明」は、純粋な現れを一切邪魔しないのです。
あなたの意識が、透明な状態であること。
これが、世界が本来のありのままの完璧性をそのままに表現するために必要な条件です。
とはいっても、最初にお話しした通り、意識とは、
「何があっても常に透明で、一切の属性を持たない、純粋な無限の存在」
であって、意識が何かの色に染まってしまうことなどありえません。
ただ、あなたが〈私〉の言葉を信じ、思考の波を信じて、世界の中の紆余曲折に翻弄されてしまうと、あなたの目には、上のさまざまな色のついた写真のように、
「本来の状態ではないもの」
として映ってしまうようになるのです。
世界が、本来の至福と平安に満ちた、幸せな場所であるためには、世界が存在するステージそのものであるあなたは、いつでも常に、透明でなければなりません。
世界が赤や黒に染まっていれば、あなたは当然、世界のすべてを赤いものや黒いものとして認識することになります。
本当は、そこには赤いものも黒いものも存在せず、ただ純粋な完璧性が存在しているだけです。
ですが、あなたが世界のすべてをそのように見るために、あなたの世界はそうあり続けてしまうのです。
赤い世界や黒い世界を、透明な完璧性そのものの世界に戻すためには、あなた自身が透明に戻らなければなりません。
ですが、どうぞ誤解のないようにしてください。
それは、
- 落ち込んではいけないとか
- ストレスがあってはいけないとか
そういうことではないのです。
ただ、
「それは単なる、意識の中に浮かび上がった思考の雲であって、『自分自身の状態』ではないし、自分自身とは何の関係もない」
ということを、しっかり理解するということです。
実際、赤や黒に染まっているのは、あなたではなく、この世界の中にいるように見える幻想の〈私〉なのです。
あなたが、「自分=〈私〉」と信じてしまっているために、世界がそんな色に見えてしまっているだけなのです。
ですから、ただ〈私〉から離れてください。
世界のステージを透明に保っておくために、いつも〈私〉から離れていてください。
本来のあなたは、純粋な透明性そのものなので、ただ〈私〉から離れていさえすれば、それでいいのです。
そうすれば、あなたの目の前に映る世界は、完全に本来の美しい状態のまま、姿を表してくれるようになります。
あなたの意識の世界に存在する、すべてのために、〈私〉から離れていてください。
離れるも何も、〈私〉などというものは最初からどこにも存在していないのですから、その事実をしっかりと確かめ続けて、本来のあなたの立ち位置にとどまり続けてください。
「ただ透明で在ること」とは、
「〈私〉が『よし、ただ透明であろう』と思うこと」
ではなく、
「あなたが、ただ本来のあなたの状態のままある」
という、ごくごく自然な、当たり前の状態であるだけなのです。
あなたの世界は、今この瞬間も、至福と平安に満ちた、ClearでCalmな世界であり続けています。
– Clear –