エアコンが自分の意志を持ったら、とても困ります。
エアコンが、
「私は温度が低いほうが好きだ」
と言って、真冬に冷房をつけたら、とても困ります。
エアコンが、猛暑の日に、
「今日は運気が悪いから、動くのはやめておく」
と言ったら、とても困ります。
エアコンが、
「この人は好きだから風を当ててあげるけど、あいつは嫌いだから、当ててやらない」
と言ったら、とても困ります。
エアコンが、
「人に動かされるなんてイヤだ。私は自分の意志でしか動かない」
と言って、リモコン操作を受け付けなくなったら、とても困ります。
単なる媒体が自分の意志を持つと、とても困るのです。
「意識の中の無限の概念がイメージとして現れる、純粋な媒体」
であるはずの体に、〈私〉という幻想の行為者が入り込むと、その限られた視野によって、無数の問題や不足が生まれます。
そして、それを改善してくれるであろう願望を抱くようになりますが、それは、
「自然と湧き上がる、自然な思い」
ではなく、
「架空の問題を解消するための、歪んだ願望」
です。
歪んだ願望は、どんなにがんばっても、自然と形になっていくことはなく、結果的に、あなたは、
「不要な葛藤や奮闘」
に巻き込まれてしまうのです。
完璧性が完璧に表現されるはずの媒体に、不完全な幻想が入り込んでしまっては、本来の自然で完璧な表現が邪魔されてしまいます。
ですから、媒体は、いつも空っぽに、きれいにしておきましょう。
その中に、〈私〉などという、問題の元凶でしかないおかしな幻想を存在させないようにしましょう。
「自分の意見」
を振り回す幻想の〈私〉の存在に気づいたら、すぐに日々の実践に立ち戻って、
「そんなものは単なる思考の雲に過ぎず、どこにも存在していない」
という確かな事実を確認し、常にきれいな状態を保っていてください。
あなたの世界は、今この瞬間も、至福と平安に満ちた、ClearでCalmな世界であり続けています。
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