意識の中の世界で、さまざまな概念が自然と形を取り「思考」となって現れます、
その自然な思考は、本来の完璧な世界の性質そのものであり、それが静かな水面に波紋を起こすことはありません。
その自然と浮かび上がる思考の雲は、いわば「点」の思考ともいうべきものであり、それは、少しの間、意識の空間を漂って、自然と消えていきます。
ですが、あなたが間違って世界の中に入り込んでしまうと、その「点」の思考を自分のものとして抱え込み、さまざまな形にこね回してしまう〈私〉という幻想が現れてしまいます。
〈私〉が抱え込んだ思考は、なかなか消えることがなく、さも実体があるかのようにそこに居座り続け、澄み切った水面に無数の波紋を生み出してしまいます。
その無数の波紋は、あらゆる方向へ、どこまでも広がっていき、いくつもの波紋が重なり合って、もはや純粋な「点」の原型はわからなくなってしまいます。
思考が、次の思考へとつながり、途切れることなく続いていって、あなたはすっかり、本来いるべき場所とは全く違う場所へ流されていってしまうのです。
それが、今あなたのいる世界で起こっていることです。
〈私〉とは、無数の波紋を生み出す唯一の原因であり、水面を乱す無数の波紋そのものです。
あなたは、間違ってその波紋を追いかけ続けて、知らない場所に迷い込んでしまったために、本来の完璧な世界がすっかり見えなくなってしまっているのです。
意識の中の自然な世界に、波紋は存在しません。
世界をしっかりと意識の内に収めて、冷静に事実を観察してみれば、
「それは単なる思考の雲でしかなく、意識の中に波を立てることのできる実体を持ったものなど、何も存在し得ない」
ということが、はっきりとわかるでしょう。
本当は、意識の中の世界が波立つことなど、決してありえないのです。
そこはどんな時も常に、完全に澄み切った、至福と平安の世界でしかありません。
あなたが、本当に起きている事実をしっかりと見て、現れを単なる現れと認識している限り、何ものも波紋を生むことはありません。
無数の波紋の集まりである〈私〉も、単なる概念の雲に過ぎないことを、しっかりと見ていてください。
間違って何かを追いかけ始めてしまった時には、すぐに、
「本当に起きている事実を」
あなたご自身で確認して、本来の至福の立ち位置に戻ってください。
あなたの世界は、今この瞬間も、至福と平安に満ちた、ClearでCalmな世界であり続けています。
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