前の「手放す」というお話の中で、
「動機がある限り〈私〉が存在し続け、〈私〉が存在する限り、何も手放すことはできない」
とお話ししました。
ですが、あなたに動機をなくすことはできません。
動機をなくすこと自体にも動機がついて回ってしまうのですから、自分で動機をなくすということは、決してできないのです。
「完全なる至福と平安の中にとどまる」
ということが、至上の引き寄せを経験するための最もシンプルな道ですが、どんなに自分に言い聞かせて、表面的に思い込んだところで、
「〇〇を引き寄せたいから、至福と平安の中にとどまろう」
という動機が完全に消えることはありません。
本当に動機がなくなるためには、〈私〉のいない世界の素晴らしさを知っていただくことが必要ですが、それをとても強力に後押ししてくれるものがあるのです。
それが、
「どんなにがんばっても引き寄せられない」
という経験です。
あらゆる手を尽くし、何度も何度もさまざまな方法を試みて、それでもどうしても望んでいる願望を引き寄せられない。
もう自分ではどうしようもない。
もっと大きな力に委ねる以外ない。
そのような、神頼みするしかないような状況に陥ると、人は完全に降参し、やっと自分で何とかしようともがくのをやめることができます。
まだ他の方法を試してみようという余地があるうちは、さまざまな計算が働き、意図も動機も残り続け、〈私〉は存続し続けます。
ですが、
「もはや自分ではどうすることもできない」
と降参すると、世界の完璧性そのものに委ねる以外になくなり、静かに至福と平安の中にとどまっていられるようになるのです。
そのときあなたは、引き寄せられないという出来事さえも、最善の流れの一部であったことに気がつくでしょう。
もちろん、そこまで追い詰められてしまう前に大切な真理の中にとどまる訓練を始めることができれば、それが一番ですが、大切なのは、
「自分の目にどのように見えようとも、すべては完璧性の現れでしかない」
ということです。
余計な抵抗を捨て、その真実をいつ受け入れられるようになるか。
それが、至上の引き寄せの世界を見られるようになるための、重要な鍵なのです。
あなたの世界は、今この瞬間も、至福と平安に満ちた、ClearでCalmな世界であり続けています。
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