〈私〉という人は、途切れることなく、ずっとそこに存在し続けているように思えます。
ですが、本当は、この世界の中には、継続して存在し続けているものなど何もありません。
〈私〉がずっと存在し続けているように思えるのは、
「無数の概念が、連続して無限に現れ続けるから」
です。
あらゆる概念には、必ず「その概念を認識する人」という要素が含まれているので、世界に概念が現れ続ける限り、「それを認識する人」というものも現れ続けることになるのです。
それは本当は、
- 「ずっと存在し続けている一人の人」ではなく
- 「無数の概念の一部としての『認識する人』」が、連続して現れ続けているだけ
なのですが、それをあなたが間違って「個別の人格を持った一人の人」と認識していまい、それが〈私〉というものになっているのです。
あなたが見ている世界は、あなたそのものですから、あなたがそう信じている限り、世界もまたそのように現れることになります。
洗濯物が干されているのを見ていて、
- 「タオル」を認識している時、その「認識している人」は「タオル」そのものであるだけです
- 「シャツ」を認識している時、その「認識している人」は「シャツ」そのものであるだけです
それは実際には、
「『タオル』という概念が現れ、次に『シャツ』という概念が現れた」
というだけのことであり、そこには何の継続性もありません。
つまり、
「途切れることなく、ずっと継続して存在し続けている認識者」
などというものは、どこにも存在しません。
本当は、「ある概念の一部としての、それを認識する人」が、無数に連続して現れているだけであり、そこに、
「個別の人格を持った〈私〉という一人の人間」
という属性を与えさえしなければ、それはただ純粋な概念の現れであるだけなのです。
「概念の一部としての、それを認識する人」
がそこに現れるのは、自然なことであり、何の問題もありません。
ですが、その「概念の一部でしかないもの」に、個別の属性を与えてしまうことが、本当には存在しない幻想の問題の数々を作り出してしまうのです。
「無数の概念の現れ」そのものは、無限の意識の自然な属性であり、それは永遠にそこに現れ続けます。
「ずっとそこにいて、無数の概念の現れを認識し続ける個人」は、これまでもこれからも、決して存在しません。
すべての問題の根源は、この、本当は一度も存在したことのない、
「無数の概念の現れを認識し続けている、一人の独立した個人」
という間違いだけです。
ただ、
「無限の意識の空間の中に、無限の概念が形を持って現れ続ける、完璧な世界」
だけを、そのままに見ていましょう。
プログラムを受講されている方は、いつもの実践で、
「やはり、そこには誰もいないのだ」
ということを、実体験としてしっかりと確認してください。
受講されていない方は、〈私〉が存在しないことを確認する実験を繰り返して、
「この世界には意志を持った独立した個人など存在しない」
ということを、しっかりと納得のいくまでご確認になってください。
「本当のこと」を繰り返し確認し続け、真理が浸透していけば、徐々にその根本的な間違いは消えていきます。
あなたの世界は、今この瞬間も、至福と平安に満ちた、ClearでCalmな世界であり続けています。
– Clear –